「純米酒、吟醸、大吟醸の特徴を徹底比較」 - 酒米屋 吟

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日本酒

「純米酒、吟醸、大吟醸の特徴を徹底比較」

日本酒は日本の伝統であり、その種類や製法には深い歴史と文化そして気候が複雑に絡んでいる。本記事では、日本酒の中でも特に人気の高い純米酒、純米吟醸、そして純米大吟醸の特徴を比較し、それぞれの魅力をお伝えします。

次に、純米酒の味わいや香りの違いを実際にテイスティングした感想を紹介します。続いて、純米吟醸酒の製造方法や、一般的な純米酒との違いについて掘り下げ、二本の銘柄を試飲します。そして最後に、純米大吟醸酒の特別な製法と比類なき味わいの楽しみ方を体験したいと思います。

乾杯(^^)/

日本酒の基本知識

日本酒は、日本を代表する伝統的なアルコール飲料であり、その製造には長い歴史と特有の技術が詰まっています。本記事では、日本酒の歴史や種類、製造過程について詳しく解説していきます。

日本酒の歴史と種類

日本酒の起源は古代に遡ります。初期の日本酒は、米を発酵させて作る「米酒」であり、平安時代には「清酒」として発展を遂げました。その後、室町時代から江戸時代にかけて技術が向上し、様々な種類の酒が生まれました。現在、日本酒は主に「特定名称酒」として分類され、その中には「純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」などが存在しまた「普通酒」があります。

「純米酒」は、米と水だけで作られ、無添加のため自然な味わいで、一方「純米吟醸酒」や「純米大吟醸酒」は、特有の製法によって醸造され、米の精米歩合が低く、香り高い酒が特徴です。多様な日本酒の中から、その種類や特徴を理解することは、日本酒を楽しむ上で欠かせません。最近では女性を中心に人気があるカテゴリですね。

日本酒の製造過程

日本酒の製造は、大きく分けて「洗米」「浸漬」「蒸米」「麹づくり」「発酵」「絞り」「火入れ」の工程からなります。

まず、「洗米」では、米に付着した不純物を取り除くために丁寧に洗浄します。次に「浸漬」では、洗い上がった米を水に浸し、吸水させることで目標の硬さに仕上げます。続いて「蒸米」にて、浸した米を蒸気で蒸し、膨らませます。蒸米は、後の工程で活躍する部分です。

続いて、「麹づくり」では、蒸米に麹菌(こうじきん)を加え、酵素を生成させます。この過程で麹の働きにより、米のデンプンが糖分に変わります。その後は、麹、酵母、水を加えて桶に入れ、「発酵」させ、数週間の間にアルコールとCO2が生成されます。

発酵が進むと、液体部分と固体部分が分かれます。これを「絞り」によって分け、清酒となります。最後に「火入れ」で加熱処理を施し、雑菌を死滅させることで保存性を高めます。この工程を経て、初めて日本酒として飲むことができるのです。

製造工程には多くの手間と技術が必要であり、実際の現場ではそれぞれの酒蔵によって独自の工夫が施されています。まさに職人技ですね。

純米酒の特徴

純米酒とは、米、米麹、水のみを原料として製造された日本酒。非吟醸系で日本酒のカテゴリの中でもとくに食中酒として愛されています。お燗にもできるのでお酒愛好家に支持されており楽しみ方が満載です。ここでは、純米酒の原材料、製法、味わい、香り、そして代表的な銘柄のテイスティングについて詳しく解説します。

原材料と製法

純米酒の主な原材料は、まず良質な米です。特に使用されるのは、精米歩合の高い酒造好適米で、一般的には山田錦や五百万石が多く使用されます。食用米ならヒノヒカリなどの粒の大きいお米をつかうことが多いです。私が育てている酒米は「吟のさと」という品種で山田錦によくにた酒米です

製法は、まず米を洗浄し、蒸し上げ、その後冷却し米麹を加えます。さらに、酒母と呼ばれる発酵のための培養液を加え、発酵が進むと「もろみ」が形成されます。このもろみは、1ヶ月以上発酵させることでアルコール度数が高まり、味わいが豊かになります。最後に、もろみを圧搾し、清酒として瓶詰めされます。この過程での温度管理や発酵の状況により、各蔵元のスタイルや特徴が出ることが魅力の一つです。

味わいと香りの特徴

純米酒の味わいは、米の種類や精米歩合、発酵温度、醸造技術により多様ですが、一般的に米本来の風味を感じるところが特徴的。お米本来の香りと甘味を楽しめられるパワフル系(味に厚みがる、いろいろな味を感じるお酒)香りに関しては、フルーティーな香りが感じられるものもありますが、全体的には米の持つ甘く優美な香りが主体です。

寫樂純米酒テイスティング

福島県にある蔵元、宮泉銘醸 寫樂(しゃらく) 精米歩合60% ワイングラスでテイスティングを、色味ですがやはり黄色味がかっています。雑味があることを示しています。香りです、非常に強い、吟醸香のようなフルーツの香りがする。メロンや洋ナシのような水分をたっぷり含んだおとなしいイメージのでボリュウーム感はない。きれいなお酒です。

口に含んでみるとやはりフルーツのような甘味が強い、含んだ瞬間のアタックは強いが余韻は短くキレがよい。雑味もかじられず味わいは非常にエレガント(きれいな)お酒です。

料理と合わせるならこの甘味に魚ではなく肉にあわせたい。牛肉などではなくあっさりとした鶏肉、ローストしただけや焼き鳥なら塩焼きでしょう。シンプルな料理とあう。魚介ならホタテの甘さなら負けないでしょう。醬油ではな塩とレモンでつくるカルパッチョとあわせたい。前菜からメインまでいける。

酔鯨中取り純米酒テイスティング

続いて、酔鯨酒造 酔鯨(すいげい)中取り純米酒 精米歩合55% テイスティングします。このお酒は高知県で醸造されています。香りは控えめ、温度が上がっても出てきません、非常に弱い香りです。つきたてのお餅のような香りでほのかに乳製品、カマンベールチーズやモッツアレラようなおとなしい香りがかくれてます。

口に含んでみると苦味はない、酸味はしっかりある。柑橘類のような刺激的な酸味で全体的に非常に淡いと思います。シンプルなお酒ですね。

シンプルにはシンプルを、ですね。白身魚の脂ののっていないタイプの魚を塩焼きにしてスダチかレモンを絞りたいですね。

日本酒を飲んでいる男性
純米吟醸酒わたる試飲イベント

純米吟醸酒の特徴

純米吟醸酒は名前のとおり吟醸酒に分類される日本酒です。精米歩合が60%以下とされていますので、使用する原材料は米、水、酵母、そして米麹だけで構成されています。このタイプの日本酒は、伝統的な製法と厳選された素材から作られ、その結果として生まれる高い香りとフルーティーな味わいが特徴です。これから、純米吟醸酒の製造方法や風味の違い、具体的なテイスティングの体験について詳しく見ていきましょう。

吟醸酒の製造方法

吟醸酒の製造は、特に発酵技術が重要です。まず、酒米を精米して心白と呼ばれる中心部分を残し、外側の硬い部分を取り除きます。次に、米は洗浄され、浸漬されます。浸漬後、蒸煮された米は麹と混ぜられて発酵が促進されます。この段階で、酵母が添加され、 発酵が開始されると、ゆっくりと発酵が進みます。通常、吟醸酒は低温での発酵が行われるため、香りと味わいを最大限に引き出すことが可能です。発酵が終わると、その酒はろ過され、瓶詰めされて販売されます。

味わいと香りの違い

純米吟醸酒の最も大きな特徴は、香りと味わいのバランスにあります。吟醸酒は、特有のフルーティーな香りがあり、メロンやリンゴのような甘い香りが感じられることが多いです。味わいにおいても、まろやかで飲みやすいものが多く、通常はすっきりとしていて、軽快な後味を持っています。女性に人気が高いです。これに対し、一般的な純米酒はもう少ししっかりとした味わいが感じられるようになります。このため、純米吟醸酒は食事と一緒に楽しむだけでなく、単独でも楽しむことができる日本酒です。

開運特別純米吟醸テイスティング

静岡県 土井酒造場 開運 特別純米吟醸 精米歩合50% まずは色味 クリアな色味、雑味を感じさせない色です。次に香りをかいでみます。香り高いですがそんなに上がってこない。大吟醸並の精米歩合にもかかわらず派手な吟醸香は感じられない。静岡県らしい奥ゆかしさが感じらメインっぽいピュアでクリーンな香りです。

口に含んでみると、しっかりとした甘味が、ボリューム感があります。香りは中程度にたして味わいはしっかりしている。余韻も長いです。雑味もなくシンプルなお酒です。甘味が強いお酒に脂の甘味を。肉に対抗するほどの力はないので魚の脂と合わせたい。伊豆のキンメ鯛などいいかもしれません。脂ののり具合もちょうどいい、香りがおとなしい香りなのでお刺身でいけます。たんぱくな魚でしたらソテーなどしてひと手間加えると良いでしょう。

宝剣純米吟醸八反錦テイスティング

広島県 宝剣酒造 宝剣 純米吟醸八反錦 精米歩合55% 色味は開運と同じようにクリアです。香りについては吟醸酒でありながら吟醸香が感じられない。西日本エリアの方が香りは低い、乳製品を思わせるような香りがします。温度が上がるとオレンジマーマレードのような苦味を思わせる甘い香りがしてきます。

口に含んでみると印象は変わらない、乳製品を思わせる風味があり苦味が強い。お酒を飲み込んだ後に少し唾液を出したくなるような感覚、口の中が乾いてくるような感覚。苦味が後味として残ります。苦味ががあるお酒には二枚貝との相性がいい。あさり、牡蠣など、カキフライなら香草をまぜるより風味に近づく、ソースではなく塩のほうがいい。甘味があって乾いたというイメージからするとドライfルーツもいいでしょう。チーズとドライフルーツにオリーブオイルをたらす。西日本エリアの日本酒だからできるマリアージュですね。

純米大吟醸酒の特徴

純米大吟醸酒は、日本酒の中でも特に高級なカテゴリーに位置付けられるお酒であり、その製造過程や味わいの深さから、多くの日本酒愛好家,特に女性から愛されています。日本酒初心者に送るには一番好まれるランクです。ここでは、純米大吟醸酒の特別な製法、高級感にあふれる味わいの楽しみ方、そして代表的な銘柄のテイスティング体験について詳しくご紹介します。

大吟醸酒の特別な製法

純米大吟醸酒は、米と水、そして少量の酒母を原料とした日本酒の一種で、特に「大吟醸」とは吟醸造りの中でもさらに精米歩合が高いことが特徴です。一般的に大吟醸酒は、精米歩合が50%以下の米を使用し、酒造りの過程では低温での発酵を実施します。これにより、米の旨味成分が繊細に引き立ち、フルーティーな香りや軽やかな口当たりが生まれます。また、酒造りの技術の中でも上級なものを要するため、手間暇と熟練の技術が必要とされます。特に、醸造の際に使われる酵母は吟醸用と呼ばれ、香りの成分を多く生じさせることが求められます。

高級感と味わいの楽しみ方

純米大吟醸酒は、その名の通り、特別な製法ゆえに味わいには高級感が漂います。甘味や酸味がバランスよく調和した滑らかな舌触りは、余韻のある柔らかな風味を引き立て、飲む者に深い満足感を与えます。また、高級感を楽しむためには、その香りや味わいを最も引き立てる飲み方が重要です。まずは、冷蔵庫でしっかりと冷やした純米大吟醸酒を、是非ワイングラスで頂いてほしいです。まずは色合い。透明なクリアな感じなのか、黄みがかった色合いなのかを見極めます。次に香り、グラスを軽く回しながら香りを嗅ぎどんなフルーツの香りなのか熟した感じなのか若いのか、香りを楽しんだら一口含み、香りと旨味、その中に雑味はあるのか、そして余韻、キレがあるのかそれとも長い余韻を楽しむことができるのか。そして料理にはメイン料理と合わせる、前菜などには合わせにくい、純米大吟醸、純米吟醸は単体でも楽しめる日本酒なので料理と合わせるの場合、印象の強い料理と合わせやすいです。

羽根屋純米大吟醸50翼テイスティング

富美菊酒造 羽根屋 純米大吟醸50 翼 まずは色味です。クリアな感じですね大吟醸はお米をたくさん削っている分雑味がすくない。

香りは、、すごい吟醸香です。香りのボリュウーム感が圧倒的、純米大吟醸の特徴です。香りにボリュウームがあると熟したフルーツのような香りになる。熟したバナナの香りにトロピカルなフルーツの香りもある、それらを砂糖漬けにしたぐらいの甘い香りがあります。口に含むと甘味とボリューム感がすごい。しかし余韻は少ない。雑味は感じられず意外とすぐに消えてしまう。

大吟醸は前菜などの繊細、または弱い料理とは合わせづらい。やはりメイン料理、魚よりも肉料理あうお酒です。骨付きチキンやクリスマスのターキーなどと相性がいいとおもいます。

川亀純米大吟醸山田錦50テイスティング

次にご紹介するのは、愛媛県 川亀酒造 川亀純米大吟醸 山田錦50 色合いについてはクリアな印象を受けます。香りについては華やかな香りは感じられずフルーツっぽい香りも感じられない。西日本エリアのお酒らしく複雑味のある香りがします。ユリの花のような香り、緑黄色野菜を思わせるような香りもします。

口に含むと、味わいにボリュウーム感がある。とろみも感じられ舌にピリピリとするような酸味、白胡椒のようなニュアンスもある。後味にしっかりとした苦味を感じます。甘味はかなり強い。お米をたくさん削ってあるぶんお米の甘味が強く感じられる。面白いところがお米の甘味なのにフルーツのような甘味に感じてしまうところですね。これだけ甘味が強いなら和牛の脂の甘味とあわせたい。塩とワサビで食べる、ワサビの鼻に抜ける辛さは、苦味とマッチします。苦味と合わせるならパクチーを使ったエスニック料理もいいと思います。「お米からできた」というところからいくとフォー麵などどうでしょう、パクチーをたっぷりのせて食べる。苦味には苦味を、ですね。 

純米吟醸 わたる テイスティング

まずどんなお酒なのか?こだわっているのは自分たちで育てた「吟のさと」という品種の酒米を100%使用している事です。種子島の米産業の活性化を目的として単価の高く量が必要とされる酒米に注目したことがきっかけ。まずは自分たちで育てた酒米で出来る日本酒を楽しみたい。そしてこの喜びと希望が日本酒と一緒に次の人にわたる。だれかがだれかに思いと一緒にわたっていく。そんな思いを込めた「純米吟醸 わたる」です

日本酒画像
純米吟醸酒わたる

ではさっそくみていきましょう。まずは色合い、少し黄色味があっる程度です。クリアとはいわない。見た目のイメージで黄色が思い浮かぶ。本の中でもありましたが九州地域は雑味が多く米の味を感じられる。逆に東北地域までいくとはなやかな吟醸香とクリアな、きれいなといった方がいいかもです。そんなお酒がおおい。気温と気候が影響しているようです。

香りをかいでみます。今回は私もワイングラスでテイスティングしています。まず感じたのは複雑な香りだ。とおもいました。何度もかいでみないと答えられない。吟醸香のような香りがかすかにする、でもお米の香りの強い事はすぐにわかりました。もち米を蒸した時のような香りです。少し温度が上がるとつばが出るような酸味と苦味を感じます。アルコールの香りもします。鼻に抜ける感じがすっきりとします。

ワイングラスの中に日本酒をそそいだ写真
テイスティング風景

口にふくんでみるとすっと入ってくる。私は九州に住んでいるのでこぐらい複雑味があるほうが好みなんだと思います。違和感は一切感じられない。甘味の余韻が長くて終わらない。でもどことなく主張は弱いと思います。ちょっと口の中で転がしてみました。蒸したコメの味です。香りがそう感じさせるのかもしれませんがそんなイメージがわいてきました。転がしているとだんだんアルコールの味に変わってきます。でも苦味、辛味は感じ取れます。すっと飲んでしまえばそこまで感じることはなかった。口の中で転がすことで感じ取ることができる。

テイスティングって面白いですね。いつもただ飲んでるお酒にこんなにも味わいがあるとは思いませんでした。こんな日本酒にあわせるなら巻寿司のような複雑な寿司でしょうか。赤酢などは使わずお米の香りを残すシャリで作った巻寿司。いろいろな種類のある巻寿司なら複雑味があり主張の弱い日本酒には相性がいいような気がします。またしめ鯖もいい。酢の酸味と日本酒の雑味は相性がいいとおもうからです。マグロの握り寿司なら山椒をを落としても面白いと思います。主張が弱い分どんな寿司でもあう。でも少し複雑味がほしいです。イカを塩でとなると違和感は感じられないかもですがそれなら東北の日本酒があう。イカでこの酒を飲むなら柚子胡椒などをあわせるといいとおもいます。是非お楽しみください。

いかがでしたか?次回は醸造アルコールを添付した日本酒のテイスティング様子をご紹介したいと思います。この記事は日本酒テイスティング北原康行さんの著書を参考にして私の経験と感想をあわせて書いてます。

種子島の米作り、日本最南端の酒米 吟のさと

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