本醸造アル添酒の魅力とおすすめポイント - 酒米屋 吟

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本醸造アル添酒の魅力とおすすめポイント

本醸造、アル添酒について深堀していきたいと思います。この記事では、おすすめの銘柄を通じて、本醸造のメリットと楽しみ方について書いています。まず、本記事では「本醸造酒とは何か」や「アル添酒の特徴と製法」を解説し、このタイプの日本酒がどのように醸造されているか、特定銘柄酒との違いを紹介したいと思います。また本醸造、アル添酒が、なぜコストパフォーマンスに優れているのかをお知らせします。実際にテイスティングしている様子を記事にしていますので是非楽しんでみてください。さぁ始めましょう乾杯(^^)/

日本酒を飲んでいる男性
純米吟醸酒わたる試飲イベント

本醸造アル添酒の基本

日本酒には多くの種類がありますが、その中でも「本醸造」は醸造アルコールを添加している、いわゆる「アル添酒」と呼ばれているタイプになります。本記事では、本醸造アル添酒の基本的な特徴や製法について詳しく解説していきます。

本醸造酒とは何か

本醸造酒とは、日本酒の中で一番お米が磨かれていないタイプの日本酒でいわゆる安酒と呼ばれていた日本酒です。具体的には、米、麹、水、酵母の4つの主要な原料を使用し、お米のでんぷん質からアルコール醸造する段階で醸造アルコールを添加して造られています。アルコールの保存を簡素化できることが、最大の醸造アルコールを添加するメリットだと思います。

本醸造酒の製法では、酵母がアルコールを生成する過程で、アルコール度数が13%から16%程度に達することが一般的で、これにより、スッキリとキレのあるお酒になり、さまざまな料理に合わせやすい酒ができあがる傾向が強いと思われます。

アル添酒の特徴と製法

アル添酒とは、文字通り、醸造用のアルコールが添加されたすべてのタイプの日本酒を指します。本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒がそれにあたります。純米とかかれてる日本酒には、醸造アルコールを添加していません。最近では「ピュアな」が流行っていますが、アル添酒の魅力にも皆様、是非挑戦してみてください。アル添酒の製法は、まずは清酒の主原料となる米を精米し、麹と酵母を加えて発酵を進めます。もろみの工程で、醸造アルコールを添加することで、アル添酒らしいすっきりとした淡いキレのある風味を造り出すことができます。

アル添酒の味わいの傾向として飲んだ後の余韻が短い、軽快でスッキリとした味わいが楽しめます。アル添酒は日本酒玄人に好まれかちです。「これぞ辛口」そういうお酒で日本酒初心者の方にはすこしきつい味わいが多いと思います。日本酒初心者の方には純米大吟醸などの華やかで甘味の香りや味わいが人気があると思います。辛口の日本酒は、料理とのペアリングが簡単なので、和食や中華、洋食、と合わせやすい。、最高の食中酒なのです。

本醸造アル添酒の魅力

本醸造、アル添酒は、まずコストパフォーマンスの良さが一番!!お米をあまり削っていないので心地よい雑味が楽しめます。苦味、辛味は、酒呑みの最終的に到達する味わい。熱燗、冷酒、常温と一本のボトルで多くの楽しみかたができる。これらの魅力について詳しく探っていきます。乾杯(^^)/

飲みやすさと辛口とはなにか?

本醸造アル添酒の特徴は辛口でキレがあり、味にボリュウーム感がある。つまり「雑味がおおい」ということです。アルコール度数のバランスにもよりますが基本的には14%〜16%の範囲、特定銘柄酒と同等のアルコール度数なのにアルコール感を強く感じます。それだけ精米歩合と醸造アルコールを加えることによって酒質が変わってしまう。香りも味わいも薄まっている感じがします。食事と合わせるならお酒の主張は淡い方がどんな料理でも合わせやすい。キレがあるという事は料理の後味を流し込んでくれる。そういう意味では本醸造アル添酒は最高の食中酒と言えるでしょう。純米大吟醸や純米吟醸は相乗効果が求められる分食べ合わせは難しくなります。甘いものには甘味ののある料理、香りが強ければ香りのある料理、どんな香りでも変わってくる。柑橘系の香りはよく合うと思います。逆に本醸造や大吟醸のアル添酒には辛さが際立ちます。特に熱燗にしたときの辛さや苦味は際立つ、甘味も際立つはずなのに辛さと苦味が際立ちます。

ここで「辛口」というワードに触れたいと思います。「日本酒は辛口だ」よく聞くキーワードですね。店員さんに辛口ですか?と聞いてしまう人は多いと思います。しかし辛いお米が存在しないように辛い日本酒は存在しません。日本酒というのは甘味が存在する、本当にドライなお酒を好むなら焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を飲むべきです。もちろん「甘すぎない」というニュアンスでは、辛口と表現することはあります。そうした事情を理解したうえで「今日はちょっとピリッとしたのがほしい」といえばわかりやすいです。「甘すぎない」という点では純米系は考えられないです。純米系、とくに純米大吟醸や純米吟醸は甘味を楽しむ性質のお酒です。日本酒の中では辛口とはアル添酒をさします。例外はあるにせよ傾向としては強いと思います。最初のアタックからフルーツやお米の甘味は感じず、後味も残らず、キレがいいようなもの。そういう日本酒が多いのがアル添酒です。

コストパフォーマンスの良さ

本醸造アル添酒は、コストパフォーマンスの良き。本醸造、アル添酒は生産過程がシンプルで、結果的に価格が抑えられています。市場に出回っている本醸造アル添酒は、安価です。純米ブームのおかげで軽減されがちな部分もありますが、日本酒ファンには欠かせないカテゴリなのです。

手頃な価格のおかげで毎日飲むお酒、特別じゃない日に日常的に飲むことができる日本酒。そういう位置づけでありながらメリットも大きい。お米もそこそこで、精米も少ない。醸造アルコールを加えることで辛さが目立つようになり、安価に提供できるようになる。そしてどんな料理にも合わせやすいので毎日の食卓に並べられる。晩酌に日本酒を飲むなら一番最初に思い浮かぶの本醸造であるはずです。

おすすめの本醸造アル添酒

本醸造アル添酒は、さっぱりとした飲み口とリーズナブルな価格帯から、多くの日本酒ファンに愛されています。ここでは特におすすめの銘柄を紹介し、購入時のポイントや楽しみ方についても触れていきます。

本醸造テイスティング二本

今回は本醸造の中から二つの銘柄、「八海山 特別本醸造」と「山香 本醸造」をテイスティングし、各銘柄の特徴や味わいについて深く掘り下げていきます。日本の本醸造酒の魅力を実感できる二本を通じて、より多くの人々が日本酒の世界に親しむきっかけとなることを願っています。

八海山 特別本醸造 テイスティング

新潟県 八海醸造 八海山 特別本醸造 精米歩合 55% グラスに注いでみます。色味はやや黄色味がかっています。次に香りをかいでみます。非常に「ピュア」な香り、炊き立てのご飯のような香りがします。それ以外の香りは感じられずシンプルな香りです。精米歩合が60%以下なら特別本醸造をなのれる。この日本酒は55%、吟醸を名乗っていいレベルにまで削っている。吟醸香が感じられないところが本醸造だと実感できる。ボリュウーム感があるカテゴリの日本酒なのに、この日本酒は非常にきれいなお酒と言っていい。新潟県という地域、お米をたくさん削ってある、そういった要因がこの香りを造っているのでしょう。1200円程度で楽しめるなんて、すごいコストパフォーマンスです。

口に含んでみます。最初のアタックは控えめですが、ほんのりとしたお米の甘味が感じられる。まったく癖がなくキレがいい。後味も強く残らない、余韻も短い。辛口と呼ばれる系統のお酒です。

このようなシンプルなお酒にはどんな料理も合うと思います。おでんや牛すじ煮込みの濃いものにも、よせ鍋のような淡いものにも合うと思います。この日本酒なら食事の最初から最後までのめる。最初は冷酒や常温で楽しみ、途中から熱燗に変えてもいい、一本ですべて対応できる。純米酒やアル添酒は究極の食中酒だ思います。

山香 本醸造 テイスティング

奈良県 梅乃宿酒造 山香 本醸造 精米歩合65% グラスに注ぐと八海山よりも黄色味がかっているのが一目でわかります。お米をあまり磨かず、西日本エリアの奈良県で造られたお酒だからでしょう。香りをかいでみます。本醸造では珍しい、個性的なかなり強い香りです。ボリュウーム感があり複雑味がある。麦わらをいぶしたような香り、香ばしい感じがある。熟成酒にある「ひね香」も感じられます。

ひね香は熟成酒には必ず出てくるもので、悪いものではないです。山香は熟成酒ではないですが、なぜかひね香がでている。お酒は決して劣化はしておらず、味のバランスもいい。逆にこのお酒の個性になっています。香りにはお米のニュアンスは出ていなかった、味の方にはお米の甘味がでています。口に含んだ瞬間かとろみを感じる、コクがある。香りも強かった、味もしっかりしています。後味に苦味やえぐみが残る。複雑味がありますね。

ここまで風味にパンチがあるなら、カツオの刺身でもいける。カツオやマグロは日本酒と合わせるのが難しい食材です。血の味に負けないボリュウーム感のあるお酒です。香ばしさと合わせるために「わら焼き」にした方がいい。スモーキーにはスモーキー感を合わせてあげる。九州の醤油は甘口でとろみがある。とろみとこのお酒のコクは相性がいい。馬刺しにも合うと思います。奈良県のお酒なのに九州の人たちにも好かれそうなお酒です。

この記事は日本酒テイスティング北原康行さんの著書を参考にして私の経験と感想をあわせて書いてます。次回は生酛造りに挑戦したいと思います

種子島の米作り、日本最南端の酒米 吟のさと

酒蔵の写真
梅ヶ枝酒造

この記事の著者

八汐 航

1984年2月16日生まれ。地元、種子島の真中に位置する中種子町で実家の寿司屋八千代寿司を家族経営(代表取締役)している。小学生のころから、料理、生け花、農業に興味を持ち現在は料理を職業とし趣味で池坊を学び、酒米の栽培に挑戦。日本最南端の酒米栽培地区を種子島で実現し自分たちで育てた酒米から作った日本酒は思い出深い酒の味です、、、

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